外国の名刺事情

Pocket

地球名刺消費量の世界一は日本だと言われています。実際、ハリウッド映画などで日本人ビジネスマンが登場するシーンでは、頭をぺこぺこ下げながら、名刺を差し出すシーンが滑稽に描かれていたりします。それほどまでに日本人イコール名刺というイメージが強いのです。現在のカードスタイルの名刺を使い始めてからまだ歴史の浅い日本ですが、ビジネスにおける名刺使用におけるルールやマナーは、どの国よりも確立されているといえます。

ビジネスの際には、取引相手のメンバー全員にもれなく名刺を渡す、相手の名刺より自分の名刺を下に持つ、受け取った名刺は相手の分身と思って丁寧に管理する、などの細かなマナーは日本人ビジネスマンにとってはもはや常識ですが、他の国ではそこまで名刺を重要視していないようです。欧米では、はじめて会うビジネスの相手とは、目をしっかりと見て握手をするのが基本のマナーですし、名刺は常に携帯しているものの、別れる際に連絡先を知らせるといった意味合いで渡すことが多いようです。しかも、メンバー全員ではなく、代表者一人だけに渡します。

国によって名刺の意義は多少違いがあるものの、近年国をまたがるビジネスが増え、欧米各国も、日本をはじめ、韓国、シンガポールなど、同じく名刺を重視するアジア諸国との取引が増加するにつれて、日本式の名刺交換に倣う風潮がでてきました。郷に入れば郷に従う、を越えてビジネスマナーもワールドワイドのスタンダードが出来上がりつつあることの表れではないでしょうか。

 

ヨーロッパのビジネスマンの名刺

ヨーロッパの人たちとビジネスをしていると、その名刺のデザイン性の高さに驚かされます。日本のビジネスマンの名刺と言えば、四角に肩書きが大きく書かれたシンプルなものが多いです。役員クラスになってようやく豪華なものが配られるぐらいです。

ところがヨーロッパのビジネスマンのものは、シンプルに見えても形がおしゃれだったり、カッティングにこだわっていたり、カラフルだったり、さすがヨーロッパ、という感じです。デザイン性の高い商品がヨーロッパに集まっているのも納得です。役員クラスの人たちだけでなく、役職の無い人たちでも、おしゃれなものを持ち歩き、配っています。会社と自分を代表するものなので、それぐらいこだわるべきだと思います。

日本の場合、ビジネスは固いもの、という固定観念が影響しているのでしょうか。これは少し残念です。一番最初に相手に渡すものですし、自分の個性を表現して、覚えてもらいやすくするためにも、もっと自分でデザインできれば良いのに、と思います。

最近は個人の情報を書いたものをSNSのオフ会で配るのも流行ってきています。これからは日本のビジネスマンももっとおしゃれなものを持ち歩く時代が来るものと思います。

 

東アジア圏と欧米とで見る名刺の相違

名刺には主に氏名、肩書き、連絡先を記してあり、それらを相手に伝えるために手渡されます。用紙の大きさやレイアウト形式に特別な決まりはないものの、利便性や保管のしやすさから人の手よりも小さなサイズのやや厚めの紙に、氏名を最も強調するのが一般的です。

近年では、メールアドレスやウェブサイトのURLも記載したものや、より印象づけるべく顔写真も掲載したものもあります。日本、中国、台湾、韓国など東アジア圏のビジネスシーンにおいては、初対面の挨拶時に名刺を交換します。この慣習は東南アジア諸国でも一般的になりました。

欧米においては、かつては主に社交の場で氏名のみが記された名刺が交換されていましたが、東アジアへのビジネス進出やネットを介した交流の拡大に伴い、ビジネスシーンでの使用も増えてきました。但し、商談を始める前である会った直後ではなく、別れ際に互いの氏名や連絡先を確認するために交換されることが多いです。

また、用紙の標準的なサイズにも違いがあります。日本の名刺の標準サイズが91ミリ×55ミリであるのに対し、西洋の名刺の標準サイズは89ミリ×51ミリとやや小さめです。しかし、どちらのサイズにも、最も美しい比率である黄金比が用いられています。